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2011年11月25日

歯科治療にマイクロスコープ(手術用顕微鏡システム)は必須です

マイクロスコープ1

もしあなたの主治医がマイクロスコープを用いない治療を行っているならば、ぜひすすめてください。その先生は全く違う世界があることに気づくことでしょう。

もともと手術用の顕微鏡は脳外科や形成外科、耳鼻科などでは神経や血管を繋ぐことなどに用いられており、現在医療では欠かすことのできない機器のひとつとされております。

私はできるだけ全ての治療にマイクロスコープを用い、精密で精度の高い歯科診療を心がけております。

広い術野や機動性が必要とするような処置の場合は2.5倍のルーペを用います。さらに精密な治療を必要とする場合や、明るさを必要とする場合はマイクロスコープの出番です。

マイクロスコープは25倍まで拡大することができて、光軸と視点の軸が同一で影も少ないために、対象物が大きくさらに明瞭に見えるというメリットがあります。ルーペで見えなかったものも、マイクロスコープでは新たな発見があることも多々あります。

手術顕微鏡を歯科領域に用いるメリットは数多くあります

少し例えを上げますと、歯の根の治療です。最も治療の質が歯の予後に左右される処置のひとつが根管治療です。根管治療とは、神経などいわゆる根の治療です。根管治療では、大きな虫歯が神経までおかしてしまった場合等は神経を取り除き清潔な状態にして、取り除いた神経の代わりに薬を詰めてから、被せ物を行います。信頼性の高い根管治療なくしてはしっかりとした冠の処置はできません。

何度も通院して根の治療を行ってから被せ物をして痛くなり、直ぐに除去して抜歯などとは本末転倒です。

マイクロスコープ2人間の目は鍛えられていたとしても0.2mm程度の識別能力だと言われております。しかしマイクロスコープを使用すると0.006mm程のものも見分けがつきます。根管治療は細かい作業で神経自体も0.5mm程度の開口部ですと肉眼だと見落としてしましがちです。通常は盲目的になるような根の治療においても視覚化されることによって、不快な治療回数が減らすことができます。

歯が駄目になる原因としてクラックや歯の側壁に空いた穴があります。それらの処置を誤ると、使える歯もダメになってしまいます。従来では抜歯と診断された破折歯や深い虫歯などもMTAやカッパーセメントなどの材料を用いることにより、抜歯することなく残す事が可能な適応範囲が増えました。

歯科の基本である虫歯の治療においても、ラバーダムとマイクロスコープを用いることにより術者の視野が明確に確保できて、歯質の切削を最小限に抑える事ができて、健全歯質を可及的に残すことができます。

マイクロスコープ3取り残しがあると2次カリエスなど、いくら良い被せ物をいれても長持ちは絶対にしません。被せ物の中から虫歯になって、被せてもすぐに取れてしまう、などやり直しになる事例が多く見受けられます。せっかく時間とお金をかけた歯ですから一生涯入れておきたいと思うのは皆同じことです。

これらの事象をなくすためにもしっかりと見える状態での治療は絶対に必要です。歯を削る、いわゆる歯冠形成自体も精度良くできるために、歯冠と歯質との適合が極めて良く、歯肉との親和性の良い安定したものを作ることができます。


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