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2012年2月25日

コーヒーを日常的に摂取される方は多いかと思います。焙煎されてから抽出されたコーヒーはカフェイン以外の成分は解明されていないと言われております。解析する前に飲まれてしまうのでしょうか・・・
コーヒーにはビタミンやミネラルは少なからず含まれております。
マグネシウムはカップ1杯のコーヒーに、およそ7mgです。ちなみに日本人の栄養所要量(推奨量)は男性は310mg、女性は250mgですので、わずかな量ですが、マグネシウム欠乏はイライラや手足のしびれなどの神経症状。筋肉のけいれんや血管の収縮にも影響を与えます。コーヒーを摂取することにより、僅かながらですが補充されます。
カリウムもいくらか含まれております。1カップにつき116mgくらいで、1日の栄養所要量は2500mg程ですのでこれも比べると僅かです。しかしカリウムは自然の降圧剤ともいわれ、塩分を下げる働きもあります。あと口内炎などに効くビタミンB3のナイアシン(0.5mg)と動脈硬化になりにくくするコリン(6.2mg)の少量を含みます。
焙煎したコーヒーは翌日から1週間以内に飲みましょう。風味も美味しさも格段に違いますし、栄養素も時間経過に従い酸化してしますのでフレッシュなほど良いでしょう。
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2012年2月24日

親知らずは智歯とも呼ばれ、一番奥にはえてくる歯です。近年、先天的に無い方もいますが、文化人類学者の鈴木尚らのデータによると、4本の知歯が生えそろう割合は36%と言われております。
人類の顎が小さくなってきているので、横や斜めにはえて、早々に虫歯になってしまうこともあります。歯ブラシが当たりにくいので、衛生状態が悪くなりがちで炎症を起こしたり、虫歯になったりして強い痛みを伴うことがあります。
近年は他部位への移植やインプラントの骨補てん剤、幹細胞を取り出すなど有益な使い方もあるのですが、大方の医院では抜いて捨ててしまいます。
親知らずの抜歯には、切開から骨の切削や縫合と医師として必要な外科処置の全ての要素が詰まっていると思います。抜歯された方は経験されたと思いますが、意外と侵襲が大きいので、痛み止めや抗生剤、鎮静剤などの点滴やテーピングなど様々な工夫も行います。
もちろん周辺の解剖学の知識に熟知して血管や神経にも配慮しなくてはなりません。
確かな技術と知識が要求されるのが、親知らず抜歯です。
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2012年2月23日

「歯周病治療で肝機能改善 非飲酒者も発症の脂肪肝炎」

 飲酒しない人も発症する非アルコール性脂肪肝炎患者が歯周病菌を保有する割合は健康な人の約4倍と高く、歯周病の治療で肝機能が大幅に改善することを22日までに、横浜市立大や大阪大などの研究チームが突き止めた。

 研究チームによると、歯周病と心臓病や脳卒中との関連は指摘されているが肝炎では初めて。チーム長の中島淳横浜市立大教授(消化器内科)は「脂肪肝の人は肝炎に進行させないように、口腔内を衛生に保つことが大切だ」と話している。

 NASHは成人男性の3人に1人程度とされる脂肪肝の人のうち、1~2割を占める。進行すると肝硬変や肝臓がんを引き起こし、肥満との関連が指摘されているが、発症メカニズムは解明されていない。

 研究チームがNASH患者102人の歯周病菌を調べたところ、保有率は52%で健康な人と比べて約3・9倍だった。また肥満状態のマウスに歯周病菌を投与すると、3カ月後に肝臓が平均約1・5倍に肥大化。肝炎が悪化するなどした。

 歯周病のNASH患者10人に歯石を除去したり抗生物質で歯茎の炎症を抑えたりして治療した結果、3カ月後には平均すると肝機能の数値がほぼ正常になった。

 研究成果は

※英医学誌は消化器病学分野では権威がある「BMCGastroenterology」誌16日付の電子版に掲載された。

上記は引用であります。確かに術前に血液検査で歯周治療の術前術後に肝機能の数値に改善を認める方がいます。肝臓は血液のフィルターの役割を担っておりますので、口腔内の菌が全身を回り、肝臓でトラップされれば異常をきたすことは予想されます。
水道のフィルターも1年も放置すればドロドロですからね。
口腔内の状態改善と共に、食事改善や運動を少しでも取り入れるとさらに良い結果が出ます。
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2012年2月22日

環境や個人の性格にもよりますが、往々にして歯科医は手先が器用ですので、開業医であれば全ての処置を自分で行う事が多いと思います。
舌や歯肉に腫瘍ができていれば、切って調べようと挑むことなく大学病院や大きな病院の口腔外科にするでしょう。悪性腫瘍や良性腫瘍で再発性が低いと診断できれば、組織診断までは可能でしょうか。
しかし虫歯の治療であれば、歯科医たるもの必ず行うでしょう。通常は病巣をタービンと呼ばれる切削器具で削り飛ばして、金属やレジンを詰めます。審美性やアレルギーを考慮するならば、セラミック治療も行うでしょう。
虫歯が進行して、神経まで行けば根管治療になり神経の処置をしなくてはなりません。
根管治療から顎骨内に感染が波及すれば、再度根管治療を行うか抜歯となります。
歯周病であっても病態の程度によっては、外科処置を必要とする場合もあります。
歯周病で強く炎症を起こしてしまった歯やグラグラの歯は抜歯となります。親知らずも必要であれば、分割などして抜歯するでしょう。
歯を抜けば義歯やインプラントにするでしょう。

患者さんが来院されてから、治療に関わる全ての行程で医師は診断が必要になります。
虫歯治療がダメで根管治療。根管治療が予後不良で抜歯。抜歯したら義歯かインプラント。インプラントもダメで義歯やブリッジに舞い戻り。
その行程の中で自分が出来そうなことを、大学病院やスペシャリストに紹介することはどの程度あるでしょうか。
治療に問題があれば、セルフ・ハンディキャッピングで言い逃れはできません。
診断して治療を考える上で、自分自身の診断を行うことも必要になります。
意外と自分自身の診断が一番難しかもしれません。
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2012年2月21日

インプラントをはじめとした手術依頼を受けて出張を行っているのですが、これはサッカーなどスポーツで言うところのアウェイの状態です。プレミアムリーグのホーム/アウェイ勝率はホーム42%、アウェイ33.2%、引き分け24.8%です。この勝率を示して患者さんに手術しますか?と聞いたら誰しもが拒否すると思います。医療には引き分けはありませんので勝ちか負けしかありません。ようするに治るか治らないしかないので、引き分けを五分五分に振っても、ホーム54.4%/アウェイ45.6%です。
手術においてもホームとアウェイの状態では結果は少なからず違ってくるかと思います。手術の器具や滅菌状態、アシスタントや照明、アクセス環境など細かいことも予後に加味されます。手術は施術したら終わりではないので、そのフォローアップも影響します。
アウェイで機械や器具が壊れてしまったり、持参を忘れて医院にある器具で代用したりと様々なサバイバル気分を経験しました。ノッポさん顔負けで機転を利かさないといけません。如何なる事が起ろうが勝率を下げるわけにはいきません。これらの経験は、今にとても生かされていると感じます。
手術する日に初めてお会いする患者さんがほとんどですので細かい諸注意もままなりませんし、手術後にデータなどは主治医と連絡は取り合いますが、患者さんにお会いすることは少ないのが現実です。
手術依頼を受けて手術させていただく方としては、責任も患者さんと主治医に対してと倍になります。環境が違うから失敗したなどは言い訳になりません。誰がフォローアップしても良好な予後になることを、ホーム以上に気を使わなければなりません。
わずかな時間ですが信頼していただいて、手術を任せて頂いた患者さんから、調子が良いからと再度依頼を受けるとことは、施術した方としては感慨無量です。

以前に上顎にインプラントを5本植立してAll-on-4で即時負荷を行いました患者さんです。通法に従い4本でがっちりと固定できたのですが、アウェイですので念には念を入れて5本にしました。経過良くて、この度は下顎のインプラントを希望されたとのことで診断用のレントゲンを受け取りました。
勝率を下げないように、今後も常に緊張感を保ち依頼を受けさせて頂きます。
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2012年2月20日

昨日は高濃度ビタミンC点滴療法学会が開催され、「口腔疾患と酸化ストレス」について講演をさせて頂きました。

口腔疾患とは読んで字のごとく虫歯や歯周病、口内炎、腫瘍など口の中で発症する疾患の総称であります。
ストレスを引き起こす要因がストレッサーであり、活性酸素・フリーラジカルがストレッサーになって酸化ストレス状態になることを「酸化ストレス」といいます。
ストレッサーは酸素の呼吸をはじめ心因性、炎症、公害、タバコ、紫外線など、程度の差があれど人が不快と感じられる事柄全てに反応して生体が発生する事が知られております。
口の中は酸化ストレスで満ちてます。
歯周病や、顎関節痛、ドライマウス、口内炎などは抗酸化アプローチを行うことにより治癒が早くなる文献が多く出ております。従来であれば歯科と言えば細菌感染のみをターゲットにした治療のみをおこなっておりましたが、加えて抗酸化アプローチを取ることにより速く治癒することが出来ます。また、いつまでも悩まされる様な痛みに対しても、酸化ストレスを除去すると軽快することがあります。
知らない間に自分自身で自らの身体を蝕んでいるのです。

循環器領域や呼吸器領域では取り入れられておりますし、常識化しています。10年ほど前に大学病院に勤務してICUで研修していた時には既に酸化ストレス除去療法を行っておりました。

抗酸化療法は難しいことは何もありません。滴療法、局所療法などもありますが、食事やサプリメントなど自分で取り入れることもできます。

まず、重要なのは病態や身体の状態を把握することなのです。
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医師 高野仁男
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医師 高野仁男

【経歴】
東京医科歯科大学医学部大学院修了
東京医科歯科大学医学博士第1294号
横浜市立大学医学部口腔外科学講座
済生会横浜市南部病院歯科口腔外科
健康食品管理士

【関連学会】
日本口腔外科学会
日本形成外科学会
日本再生医療学会
Dental Practice-Based Research Network
Japan Auto-Tooth Bone Bank
口腔先端応用医科学研究会
健康食品管理士認定協会

【所属学会】
日本口腔外科学会
日本形成外科学会
日本再生医療学会
日本口腔腫瘍学会
米国インプラント学会
ヨーロッパ・インプラント学会
米国歯周病学会