歯と皮膚と金属アレルギー
鳥取大学医学部の大西一成助教の研究で中国内陸部から飛来する黄砂に含まれるニッケルが、肌のアレルギーを引き起こすことが分かった。とプレスリリースが出ておりました。
ニッケルは人間にとって成長やDNAの安定などに関与しており、必須ミネラルであります。しかし半面、旧来よりアクセサリーなど長時間皮膚と接する金属に含まれていると、アレルギーを起こすことが知られております。
欧州ではネックレスやピアスなどに光沢を出す目的で添加することは禁じられておりますが、日本では多くの貴金属に用いられています。
友人の彫金師によるとリフォームなどで持ち込まれたアクセサリーを加熱処理するとニッケルと思われる金属が含まれていることが多いそうです。
歯科でもニッケルクロム合金の銀歯が健康保険で認められており、知らない間に口の中にニッケルがあり、皮膚アレルギーの原因となることがあります。ニッケルは安価で加工しやすく安定しているために使用されておりますが、唾液や食物によりニッケルを溶け出させる事が知られております。
皮膚科で行うパッチテストでも水銀はダントツですが、ニッケルも水銀に次ぐ金属アレルギーの原因物質であります。
口の中で使われた金属が原因でアレルギーなどの症状が出ていた場合は、原因を除去しただけでは治らず蓄積した金属を点滴で排泄させることとなります。症状を起こすまでに身体にシステマティックに入り込んだ金属は排泄も簡単にはいきません。
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