歯科用レジンとビスフェノールA
ビスフェノールA は、主に食品産業のプラスティックの原料として使用される化学物質です。
歯科領域でのプラスティックは様々なところで使用されております。
たとえば白い詰め物です。
レジンと呼ばれ小さな虫歯等を修復する時に、青い光を当てて固める材料です。また白い被せ物等は全てレジンと呼ばれる物です。
仮歯もプラスティックです。
義歯のピンク色の部分もまたレジンです。
今や世界中の歯科治療はレジン無くしては語れません。
以前からこのビスフェノールAは環境ホルモンとされ問題視されておりました。
しかし、様々な研究結果を集めて詳細に検討した結果、ビスフェノールAはヒトの健康に影響がないと結論づけられております。
ただ、危険性は無くなった訳ではなく、厚労省は「成人への影響は現時点では確認できない」としながらも、「公衆衛生上の見地から、ビスフェノールAの摂取をできるだけ減らすことが適当」と発表しており、カナダでは危険物質と指定されております。
ビスフェノールAが虚血性心疾患との関連性を示す論文も出ております。(A Concentration and Risk of Future Coronary Artery Disease in Apparently Healthy Men and Women Circulation. 2012;CIRCULATIONAHA.111.069153published online before print February 21 2012, )
肝障害、膵β細胞障害、甲状腺細胞障害、肥満促進効果などとの関連性も訴えられているために、今後の動向が要注意な材料であることは間違いありません。
有用ではありますが有害性は未知でありますので、出来るだけ使用しない、残留させない配慮ある治療もまた必要です。
http://dent-implant.jp