抜歯すること
人の歯は乳歯から永久歯に生え変わり、その生涯を終えます。
歯はかけがえのないものです。抜いてしまうと二度と生えてきませんしかし、歯に問題があれば、安易に抜いてしまうのが今の歯科医療の現場でもあります。
ですので、できるだけ自分の歯を残すとの気持ちで治療に当たっていると、昨年1年間で抜いた歯の本数は13本でした。多いか少ないかは分かりません。やむなく抜く歯は破折がほとんどで、残りが重度歯周病で来院された方です。
夏休み期間を利用してフィリピンに医療ボランティアに参加してまいりました。
首都マニラなど都市部では他の東南アジアの主要都市と同様に、日々近代化しており、スーパーや薬局などでは歯ブラシなどの口腔衛生用品が日本に負けず劣らずの品数が揃っております。
しかし、一歩郊外に出ると食事は欧米化してはいるものの、医療はまだまだと言わざる得ない状況であります。
経済的に医療を受けられない生活の中では虫歯で削って詰めれば、さらに大きな虫歯となりうるので、虫歯を我慢して結果的に抜歯してしいます。
前途ある若者の歯を、大きな虫歯があるといえども抜歯するというのは心苦しい面はありますが、限られた医療環境の元では無責任に不十分な治療して後々迷惑かける可能性が少しでもあるのであれば、抜歯するしかありません。
2日間の診療で32人52本抜歯しました。日本だと4年分ほどでしょうか。
場所や立場が変われば、考え方も押しつけでなく臨機応変に変えないといけません。
写真は現地のボランティア・スタッフと患者さんです。ちなみに、この日は屋外での診療でした。終了間際には雨が降り出して急いで撤収しました!
http://dent-implant.jp