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2012年7月31日

昨日は所属する高濃度ビタミンC点滴療法(IVC)学会の点滴セミナ―でした。
回を数えるごとに、参加者も女性が増えてきております。
ビタミンCに関しては、特に女性の方が日ごろ興味を持たれていると思いますので、
今後は日常の治療に導入される割合が急激に増加してくるのではないかと思います。

15世紀半ばから始まった大航海時代に話は変わります。
現在では壊血病がビタミンCの欠乏が原因で生じる事が分かっていますが、
17世紀までは原因が分かっておりませんでした。

ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路においては、出港時に180人の船員のうち、帰港した時には100人がこの病気にかかって死亡したとの記述が残っております。
長期のビタミンC不足が歯肉出血や治癒不全、精神不安定などを引き起こしました。
徐々に航海中に野菜や果物を摂取すると起こりにくいと分かってきました。

後に船が大型化するに従い、食糧として生きたヤギも積まれるようになりました。
ヤギは粗食に耐え、厳しい環境にも耐えるため遠洋航海には打ってつけの動物でした。
離れ小島にヤギが生息しているのは、このためです。

人間はビタミンCを体内で生産することは出来ません。
しかし、ヤギはビタミンCを自ら作ることが出来ます。

ヤギのビタミンC合成量は1日14gといわれております。
病気などにかかると、100gものビタミンCを合成することが可能です。

長期間に及ぶ外洋航海でストレスが増加して、ビタミンCの濃度の高まったヤギの肉を摂取することにより、結果的に壊血病を防いでいたのかもしれません。
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2012年7月27日

当院ではインプラントなど手術を行う場合や、出血傾向を伴う疾患などを患っている方は
血液検査を行っております。
血液検査は簡便で、今現在の状態を反映する極めて有意義な検査であるからです。

時々、健康に見えても異常な数値が出て驚くことがあります。
本日、クレアチニンキナーゼ(CK)という数値が異常な結果が出たケースがありました。
このCKに異常をきたす代表的な疾患に急性心筋梗塞です。
救急外来をしていて、意識不明でCKに異常がみられたら急性心筋梗塞を一番に疑います。

このCKは筋型と脳型で大きく2種類があります。
この関係で強度の高い運動を行うなど筋肉疲労を伴うと
高値になることが知られております。

異常値の報告を検査会社から受けて、日ごろ運動しているかなどの問診内容を確認したところ、どうも違うようでした。

他のデータには明らかな異常を認めなかったのですが、確認は義務ですから。
そこで、本人に確認の電話を直ぐに行ったところ、
整体でがっちりと揉まれたとのことでした。
ちょっと安心しながらも再検査して、結果待ちです。

日常生活に全く問題無くても、
どこかに自覚症状が無くても、病魔の兆候が潜んでいるかもしれません。

「まさか歯医者に来て指摘を受けるとは思いもよらなかった!」
と言われることがありますが、発見出来る環境を整えるのも、医療を行う上での義務だと思います。

知らなかったじゃすまされませんからね。
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2012年7月 8日

体重制限、いわゆるダイエットやインシュリン抵抗性を目的とした糖質制限や高タンパク質の長期にわたる食事が心血管疾患を増加させるとイギリスの医学雑誌に報告されました。

"Low carbohydrate-high protein diet and incidence of cardiovascular diseases in Swedish women: prospective cohort study"
BMJ2012;344:e4026

低炭水化物―高タンパク質食を長期に行うと心血管疾患や癌を増加させるとの報告は以前からありました。
これは43,396人のスウェーデン人女性を平均15.7年間追跡した研究と規模も大きく心血管疾患との関連を裏付ける新たなものです。

基本的には現代人は必要以上に糖分過多な傾向がありますので、糖質は制限しないといけません。

この研究報告のような心疾患や脳卒中などのリスクとは短期的には糖質制限と高タンパク質食には関連性は認められておりませんので、何事もやりすぎは禁物とのことですね。
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2012年7月 4日

最近、大阪市内の校正印刷会社で胆管ガンを発症率が異常に高い事が判明したとの問題があります。
この問題では、印刷用のインクを拭き取る洗浄剤に含まれている化学物質が、胆管ガンの原因の可能性があると指摘されております。

話は変わって、神奈川県の伊勢原や相模原、鳥取で牛や豚の寝床に使われる資材の敷料に市役所から出たゴミのペーパーシュレッダーが使用されて、再利用によるエコにも経費削減にも貢献しているそうです。 

しかし、インクには亜鉛や鉛、鉄、チタン等の金属やバリウム、リンなど数多くの鉱物や化学薬品が原材料として使用されております。

たとえ家畜が敷料を口にしなくても、四六時中接しているので吸収される可能性は非常に高いと思います。

そして、肉や牛乳をヒトが口にする時には非常に高い濃度ではないかと懸念されます。

もしかしたらインクを敷料にする前に洗浄をしているかもしれません。
そう願うばかりです。
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医師 高野仁男
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医師 高野仁男

【経歴】
東京医科歯科大学医学部大学院修了
東京医科歯科大学医学博士第1294号
横浜市立大学医学部口腔外科学講座
済生会横浜市南部病院歯科口腔外科
健康食品管理士

【関連学会】
日本口腔外科学会
日本形成外科学会
日本再生医療学会
Dental Practice-Based Research Network
Japan Auto-Tooth Bone Bank
口腔先端応用医科学研究会
健康食品管理士認定協会

【所属学会】
日本口腔外科学会
日本形成外科学会
日本再生医療学会
日本口腔腫瘍学会
米国インプラント学会
ヨーロッパ・インプラント学会
米国歯周病学会