ホームとアウェイのインプラント手術
インプラントをはじめとした手術依頼を受けて出張を行っているのですが、これはサッカーなどスポーツで言うところのアウェイの状態です。プレミアムリーグのホーム/アウェイ勝率はホーム42%、アウェイ33.2%、引き分け24.8%です。この勝率を示して患者さんに手術しますか?と聞いたら誰しもが拒否すると思います。医療には引き分けはありませんので勝ちか負けしかありません。ようするに治るか治らないしかないので、引き分けを五分五分に振っても、ホーム54.4%/アウェイ45.6%です。
手術においてもホームとアウェイの状態では結果は少なからず違ってくるかと思います。手術の器具や滅菌状態、アシスタントや照明、アクセス環境など細かいことも予後に加味されます。手術は施術したら終わりではないので、そのフォローアップも影響します。
アウェイで機械や器具が壊れてしまったり、持参を忘れて医院にある器具で代用したりと様々なサバイバル気分を経験しました。ノッポさん顔負けで機転を利かさないといけません。如何なる事が起ろうが勝率を下げるわけにはいきません。これらの経験は、今にとても生かされていると感じます。
手術する日に初めてお会いする患者さんがほとんどですので細かい諸注意もままなりませんし、手術後にデータなどは主治医と連絡は取り合いますが、患者さんにお会いすることは少ないのが現実です。
手術依頼を受けて手術させていただく方としては、責任も患者さんと主治医に対してと倍になります。環境が違うから失敗したなどは言い訳になりません。誰がフォローアップしても良好な予後になることを、ホーム以上に気を使わなければなりません。
わずかな時間ですが信頼していただいて、手術を任せて頂いた患者さんから、調子が良いからと再度依頼を受けるとことは、施術した方としては感慨無量です。
以前に上顎にインプラントを5本植立してAll-on-4で即時負荷を行いました患者さんです。通法に従い4本でがっちりと固定できたのですが、アウェイですので念には念を入れて5本にしました。経過良くて、この度は下顎のインプラントを希望されたとのことで診断用のレントゲンを受け取りました。
勝率を下げないように、今後も常に緊張感を保ち依頼を受けさせて頂きます。
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