診断力と紹介力
環境や個人の性格にもよりますが、往々にして歯科医は手先が器用ですので、開業医であれば全ての処置を自分で行う事が多いと思います。
舌や歯肉に腫瘍ができていれば、切って調べようと挑むことなく大学病院や大きな病院の口腔外科にするでしょう。悪性腫瘍や良性腫瘍で再発性が低いと診断できれば、組織診断までは可能でしょうか。
しかし虫歯の治療であれば、歯科医たるもの必ず行うでしょう。通常は病巣をタービンと呼ばれる切削器具で削り飛ばして、金属やレジンを詰めます。審美性やアレルギーを考慮するならば、セラミック治療も行うでしょう。
虫歯が進行して、神経まで行けば根管治療になり神経の処置をしなくてはなりません。
根管治療から顎骨内に感染が波及すれば、再度根管治療を行うか抜歯となります。
歯周病であっても病態の程度によっては、外科処置を必要とする場合もあります。
歯周病で強く炎症を起こしてしまった歯やグラグラの歯は抜歯となります。親知らずも必要であれば、分割などして抜歯するでしょう。
歯を抜けば義歯やインプラントにするでしょう。
患者さんが来院されてから、治療に関わる全ての行程で医師は診断が必要になります。
虫歯治療がダメで根管治療。根管治療が予後不良で抜歯。抜歯したら義歯かインプラント。インプラントもダメで義歯やブリッジに舞い戻り。
その行程の中で自分が出来そうなことを、大学病院やスペシャリストに紹介することはどの程度あるでしょうか。
治療に問題があれば、セルフ・ハンディキャッピングで言い逃れはできません。
診断して治療を考える上で、自分自身の診断を行うことも必要になります。
意外と自分自身の診断が一番難しかもしれません。
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